今年は関東の梅雨あけは六月末と驚くほど早かった割に、七月に入ってからも長雨が続き、特に今般西日本を襲った豪雨は甚大なる被害をもたらしました。ご被害を被られた方々に謹んで御見舞申し上げます。
さて、今年も暑い夏とともにお盆がやってきます。お盆には亡き方々の魂が現世と懐かしいわが家に戻ってきます。今年もまごころをこめたおもてなしでお迎えしたいものです。
○今年の七月盆の期間はいつ?
一般的にお盆の行事は八月中旬に行われますが、東京など一部の地域では新暦の七月にお盆を行います。東京では地方から上京した方も多く、多くの方が八月には帰省するため七月の方が何かと都合が良い場合があるようです。中には、七月にお盆の行事を行い、八月には田舎の実家や親族の家に帰省して二度目のお盆を行う方も多いことでしょう。いずれにせよ今年の日程を確認し、怠りなく準備をなさって下さい。
新暦の七月盆は、七月十三日にお墓参りをしてお迎えの儀式を行い、十六日に送るのが一般的です。今年は十三日が金曜日、十六日が月曜日(海の日・祝日)となっており、土日祝日がお盆期間に重なっているため、多くの方がお仕事のお休みでお盆行事に専念しやすい日程でしょう。
正式に務める場合は、13日金曜日のできれば午前中にお墓参りをして故人のみたまをご自宅にお迎えし、16日の午前中に再度送り火を焚いてお墓参りして見送ります。
しかしながら東京ではお墓がご自宅から遠い方もたくさんおられます。電車で二時間以上かかる霊園に、迎え盆・送り盆と2往復するのは体力的に難しいという高齢者もおられるでしょう。
これは私の個人的な考えですが、作法通りにつとめるのが最も良い供養ですが、それがどうしても難しければ自分でできる範囲で柔軟に調整していただいても良いのではと思います。お迎えかお送りのどちらか一度だけのお墓参りでもやむを得ないでしょうし、お盆期間中にまったく休めないお仕事の方ならば一週間後でも前でも良いでしょう。
手抜きで略するのか、どうしてもできなくて泣く泣く略するのか、それは供養を受ける亡きご先祖様や故人の側はよくわかっておられます。自分ができる範囲でまごころ込めておつとめすればそれで良いのではないでしょうか。はじめからあきらめて何もしないよりは、できる範囲で精一杯おつとめする方が遥かにありがたいお盆になるでしょう。
○略式のお盆作法
同様の理由で、昔ながらの本式のお盆作法通りにはできない方もおられるでしょう。特に七月盆の中心となる東京など都市部では、住宅事情により大々的なお盆の支度が難しい場合もあるでしょう。
当サイトでは無理なくできるお盆の飾り付けについて解説していますので、初めての方はこちらの記事をご参照下さい。
仏壇前に用意する比較的簡単なお盆飾りの作法です。どうぞご参照下さい。(禁転載)
次回以降、今年の七月盆お供え膳料理例をご紹介します。